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DNAナノ構造体の形状変換によって代謝酵素の動的な集合体形成を制御する

2023年1月17日付けで、Peng Lin, Huyen Dinh, Yuki Morita, Eiji Nakata, and Takashi Moriiらの研究、「Dynamic Assembly of Cascade Enzymes by the Shape Transformation of a DNA Scaffold」が論文誌Advanced Functional Materialsに掲載されました。
代謝酵素が近接する環境を3次元的に変化させることによって、代謝反応効率を制御する人工代謝経路を構築した。開いた状態から、閉じた六角柱へと迅速に形状が変化する3次元DNAナノ構造体を足場として利用して、D-キシロース代謝経路由来のキシロース還元酵素(XR)およびキシリトール脱水素酵素(XDH)を1分子ずつ配置した。XRとXDHによる2段階の代謝反応は、DNAナノ構造体が六角柱に閉じた状態の方が、開いて平面的な状態よりも効率よく進行した。この結果を、平面状のDNAナノ構造体に同じ酵素を配置した代謝反応の酵素間距離依存性と比較すると、酵素XRとXDHの近接効果だけでなく、3次元的に酵素が配置された六角柱DNAナノ構造体内の環境が、代謝経路の反応の促進に寄与している可能性が高い。これらの結果は、細胞内での代謝酵素複合体による反応効率の高さを理解し、細胞外で人工代謝経路を構築する上での新しい知見である。

DOI: 10.1002/adfm.202215023

研究グループ「微生物・酵素によるCO2の資源化」